お台場で新しい体験!日本科学未来館でこどもも大人も「未来づくり」を楽しく学ぼう
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私たちの未来はどうなっているのでしょうか。そんなことを想像したことはありませんか。車が空を走っている、タイムマシーンが発明されている、別の惑星に移住している、世界が平和になっている、貧困がなくなっているなど一人ひとり考えられる未来は違うのではないでしょうか。実は、未来のことを思い浮かべるだけでなく、科学技術を通して学ぶことのできる場所がお台場にあります。今回は「あなたとともに『未来』をつくるプラットフォーム」をビジョンに掲げた「日本科学未来館」を通して、持続可能な未来づくりについて考えていきましょう。
日本科学未来館ってどんなところ?
2021年4月に宇宙飛行士・毛利衛さんの後任として館長に就任した浅川智恵子さん。浅川さんの思いとして、「一人ひとりがかなえたい未来を思い描き、つくっていく、そのためのプラットフォームに未来館はなりたい」というものがあります。未来は一つではなく、一人ひとりの生活をいかに良くしていくかがポイント。この多様性の時代に沿ったコンセプトとなっています。日本科学未来館では、このビジョンを実現するために、スローガン「Mirai can_!(ミライキャン)未来は、かなえるものへ。」のもと5つのことに取り組んでいます。
①人の未来を考える
「自分のこと」として未来を考えるために「Life」、「Society」、「Earth」、「Frontier」の4つをテーマに、展示やイベントを行っています。
②未来をつくる
最先端の研究開発や実験などが体験できる「未来社会の実験場」を目指し、研究者、企業、自治体などと幅広く連携していきます。
③みんなでつくる
メンバーシップ、アプリ、Webなどの企画・運用を通して多くの人同士が繋がり、主体的に未来づくりに参加できるような仕組みを作ります。
④「未来をつくる人」をつくる
様々な人々が集い、ともに創り上げる実証実験や課題解決に向けた活動をコーディネートするなど科学コミュニケーターの活躍を推進しています。
⑤サスティナビリティとアクセシビリティ
社会的責任としての環境負荷の軽減や誰でも利用をしやすくするための取り組みを推進しています。両分野のロールモデルミュージアムとして実践、発信、普及を通し、社会に貢献しています。
身近な課題からSDGsを考えるワークショップを開催!
未来をより身近に考えられる取り組みを行う日本科学未来館では、実際に誰でも参加できるワークショップを行っています。毎年9月末の国連総会の会期と合わせた1週間は、SDGs の推進と達成に向けて意識を高め、行動を喚起する「SDGs 週間(グローバル・ゴールズ・ウィーク)」ですが、これに合わせて2023年9 月23 日(土)、24 日(日)の二日間で、身近な課題から SDGsを考えるワークショップ「テンジのカケラ工房 〜展示の記憶をアクセサリーに〜」と「キミのロボット工房 〜未来の相棒はどんなロボット?〜」が開催されました。
・「テンジのカケラ工房 〜展示の記憶をアクセサリーに〜」
このワークショップは、2006年〜2023年8月まで常設展示されていたパネルのかけらを小さくカットしてアクセサリー(ヘアゴム、ペンダント)やキーホルダーにリサイクルするというものです。パネルのかけらにはマジックペンでアレンジもできて、オリジナルの1点を作ることができます。日本科学未来館を訪れた記念にぴったりのお土産になりました。
・「キミのロボット工房 〜未来の相棒はどんなロボット?〜」
このワークショップの一部では、未来の相棒はどんなロボット?という問いかけに対して、身近にこんなロボットがあったらいいなという思いをグループで発表します。この中で出たアイディアをいくつか紹介すると、家の中の安全をまもる「おうちけいさつ」(カメラ、サイレン、大砲、ホースを装備。家の安全を常に守ってくれます。)や食事を手伝ってくれる「スマイルマックス」(ロボットのパーツから食事そのもの、ドリンク、食器を出してくれます。消毒ができるアームも装備。)このように一人ひとりが全く違うアイディアを出し合い、自分の未来を良くするロボットの意見交換をしました。
二部では、簡単なプログラミングを通して、ロボットが実際に動く仕組みを体験します。参加した小中学生は、キーボードやタイピングに慣れていましたが、「プログラミングとなると全然違う、新しい体験ができてよかった。」と話していました。きちんとコードを入力したつもりでも、思いもよらぬところにロボットが走ってしまったり、左に曲がるはずが同じところをぐるぐる回ってしまったり、なかなかうまくいかないプログラミングに苦戦しながらも、実際にロボットを自分たちの技術で動かすことができて充実した時間を過ごしていました。
新しい見どころ!4つの常設展示はどんなもの?
日本科学未来館では、参加型の楽しいワークショップだけでなく、新しい企画も準備されています。2023年11月22日(水)からロボット、地球環境、老いをテーマにした展示が公開される予定です。
新展示1:「ハロー!ロボット」
新展示2:「ナナイロクエストーロボットと生きる未来のものがたり」
新展示3:「プラネタリー・クライシスーこれからもこの地球でくらすために」
新展示4:「老いパーク」
新展示では、ロボットと実際にふれあい、コミュニケーションをすることで、将来的にロボットとともに暮らす未来を体験できたり、地球環境のために実際に何ができるかを考えることができます。また、私たち誰にでも訪れる「老い」とどう付き合っていくかを科学技術の観点から考えるきっかけを体感することができるそうです。
日々の生活を送っていると、未来は遠いものだと思ってしまいます。しかし、未来は日々の生活の積み重ねによってできるものです。私たちが暮らす未来は一人ひとりに優しく、持続可能なものになっているのでしょうか。また、それを実現するためにはどうすればいいのでしょうか。日本科学未来館にはこのヒントがあるかもしれません。