“良い服”とは何か?ファーストリテイリングの目指す新産業LifeWearとは
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ユニクロやGUのアパレルブランドを持つファーストリテイリングは、2020年度のアパレル業界において、日本発の企業として世界第3位の売上を誇るグローバル企業として成長しています。
今や「衣類のインフラ」とも呼ばれるファーストリテイリング。12月2日に実施した“LifeWear”が目指す未来と実行プランについての発表会に行ってきました。
2021年を振り返ると…
ファーストリテイリングのユニクロといえば、今年の3月に筆者も実際に足を運びましたが、まさかの“緑のドラえもん”がユニクロの公式サステナビリティアンバサダーに就任したのは大変印象的な出来事でした。
9月には、世界最大店舗でありグローバル旗艦店の「ユニクロ 銀座店」をリニューアルオープン。“ユニクロミュージアム”とも言われる「LifeWearの世界を体感できる展示を髄所に詰め込んだ、新しい体感型店舗」も話題に。11月に京都や香川でスポGOMIを主催したり、昨年の冬には100%回収したダウンでできたリサイクルダウンを発売するなど、地球に優しい活動を活発に行っている印象を持っている人も多いのではないしょうか?
2030年へ向けて。新しい産業のあり方を考える
今回の発表会には、オンラインでの参加も含め、12の国と地域から報道陣が参加。普段の記者発表会とは打って変わって、登壇者と参加者が同じ目線で椅子に座って取り行われました。その椅子の背中には地球の総人口のうちの一人の意味がこもった「1/7,875,000,000」と記された紙が貼られ、登壇者と参加者で円を描くように配置されていました。その背景には「みんなが同じ目線で考えられる場」を創るという思いがあったとのことです。
“Life Wear”とは何かを考え直す
発表会の題にも入っている“LifeWear“とは、「あらゆる人の生活を、より豊かにするための服。美意識ある合理性をもち、シンプルで上質、そして細部への工夫に満ちている。生活ニーズから考え抜かれ、進化し続ける普段着」であるという考えです。
今回の発表会を開催した経緯として、グループ上席執行役員柳井康治氏は、「ファーストリテイリングが掲げている“LifeWear“の考え方を大事にする良い服とは何かを考えなおしたことにあった」語ります。「新型コロナウイルスのパンデミックにより一国だけが経済的に繁栄するということが許されない時代になり、貧困や環境問題も顕在化したと感じ、そのような時代の中で、あらゆる人の生活を豊かにする“究極の普段着”という LifeWearの考え方を進化させ、品質やデザイン、価格だけでなく、“事業活動を通じて世界中の問題や課題を解決すること”も目標に掲げる」と続けます。
具体的、環境・人・社会の観点を含むあらゆる「よい服」の定義に応える服づくりとは、LifeWearを活かし続けること。
LifeWearを「新しい産業」にしていくと語り、「Life Wear>サステナビリティと捉えていただきたい」と柳井さんは述べました。
Life Wearを「新しい産業」にするための、具体的な4つの約束
1. Life Wear の商品完成度をさらに上げるために、サプライチェーンのすべてを見直します。
2. Life Wear は世界中のあらゆる人と個と多様性を尊重し続けます。
3. 20年以上にわたり私たちが信じてきた「Life Wear が持つ社会を良くするチカラ」を、これからより一層活用し、世界規模で社会の安定と持続的発展に寄与していきます。
4. Life Wearの価値をさらに上げるために、より長く使っていただける新サービス・技術を開発し、提供します。
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今回の会に参加し、日本を代表するリーディングカンパニーがこのように少しずつ目標を掲げながら、一歩一歩サステナブルな事業へと進んでいくことで、社会全体の意識も変わっていくのではないかと感じました。
さらに、発表中に柳井さんは「安心」という言葉を何度も使っていました。消費者が安心して買える商品は時代とともに変化していくでしょう。商品として、そして、その背景にある生産工程などあらゆる面で本当に安心できる商品を今後も生み出していくファーストリテイリングの描く未来に注目です。
株式会社ファーストリテイリング サステナビリティ