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離れて暮らす親子間コミュニケーションの実態から考える、超高齢社会に向けたSDGsの取り組みとは


この記事に該当する目標
3 すべての人に健康と福祉を 11 住み続けられるまちづくりを
離れて暮らす親子間コミュニケーションの実態から考える、超高齢社会に向けたSDGsの取り組みとは

2021年も残り2か月。新型コロナウイルスの感染状況が落ち着いていることもあり、年末年始に2年ぶりの帰省を考えている方も多いのではないでしょうか。2022年は、戦後の第一次ベビーブームに誕生した「団塊の世代*¹」が、後期高齢者*²に到達する最初の年であり、その3年後は、「2025年問題」と言われる国民の4人に1人が75歳以上という超高齢社会に突入します。
※¹ 日本で 1947 年~1949 年に生まれた世代 ※² 75 歳以上の高齢者

SDGsでは子どもや女性などの人権保護や生活水準の向上を目標にしている項目もありますが、実は高齢者や高齢化を明確に対応する目標がありません。しかし、SDGsは地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」を原則としていますので、目標3「すべての人に健康と福祉を」目標11「住み続けられるまちづくりを」などは、直接的な表現がなくても関わっているといえるでしょう。

そこで今回は、単身高齢者見守りサービス「ドシテル」を運営する日立グローバルライフソリューションズが実施した、「離れて暮らす親子間(高齢者と高齢者を親に持つ子)のコミュニケーションに関するインターネット調査に着目。遠距離介護とコミュニケーションの重要性、そして見守りサービスについてSDGsの視点で考えてみたいと思います。

*³「離れて暮らす親子間(高齢者と高齢者を親に持つ子)のコミュニケーションに関するインターネット調査」 概要
調査期間:2021年 8月27日(金)~30 日(月)
調査方法:インターネットリサーチ
調査対象:①子と離れて単身で暮らす70歳以上の親(166 名) ②離れて単身で暮らす70歳以上の親を持つ子(150 名)

「離れて暮らす親子間(高齢者と高齢者を親に持つ子)のコミュニケーションに関するインターネット調査」

質問1:あなたが現在「親」に対して感じている不安内容、また「自分が関わることに不安を感じている内容」について教えてください。(子への質問・複数回答)

子どもが高齢の一人親に不安を感じていることの第1位は「親の介護」。 そして2位は「親が病気やけがで入院した時の対応」、3位は「親の死後の手続き・片付け」

質問2:体調や健康状態に関する事柄でご自身に当てはまることをお選びください。また、ご自分に当てはまる事柄の中で、お子様が知っている事柄についても教えてください。(親への質問・複数回答)

親の「夜中に目が覚める」といった生活リズムを把握できている子はわずか3.6%

親の「薬を服用している」「定期的に通院している」などの行動を把握している子は56%と半数以上を占める一方で、「熟睡できない」「夜中に目が覚める」といった、そばにいないと気づけない変化について把握できている子は、わずか3.6%と著しく少ないという結果が出ました。

質問3:あなたはご自分の体調や健康状態及び心配事について、お子様に対して本当のことを全て話していますか。(親への質問・単一回答)
離れて住んでいる親は、自分の体調や健康状態及び心配事の、全てを自分に話していると思いますか。(子への質問・単一回答)

親の31.3%は、自身の体調や心配事を子に「全て伝えている」と思っている
一方、子で、親が体調や心配事を「全て話してくれている」と思っているのはたったの9.3%

この結果から、親の体調や心配事に対して、親子の間で大きな認識の差があることがわかりました。

質問4:親が自分に本当のことを全て言っていないのはどうしてだと思いますか。 (子への質問・複数回答)

1位が「自分に余計な心配をかけたくない気持ちからだと思う」、2位は「自分が必要以上に心配すると思っているからだと思う」でした。親が思っている以上に、子は親のことを心配していると考えられます。

遠距離介護とコミュニケーションの重要性

インターネット調査の結果を受けて、介護・暮らしジャーナリストである太田差惠子氏はコミュニケーションの重要性について次のように述べています。
「両親が揃っていれば、どちらかに何かあっても、もう一方の親がサポートできますが、単身の場合は、子によるサポートが欠かせなくなります。しかし、子どもも日々多忙です。会えない時間が長いと思いが募り、あれこれ心配になるものですが、頻繁な帰省は、現在のコロナ禍のような状況では難しいと言わざるを得ません。また、電話で話しても、どこまで本当のことを言っているのを見定めるのも難しいといえます。数分の会話では、普段以上に元気に装う親が少なくありません。一方で、生活リズムというのは誤魔化しようがないため、積み重なることで、「なんだか普段と違う」を察知できるようになります。

スマホアプリでできる見守りサービスとSDGs推進の支援

今回、アンケート調査を実施した日立グローバルライフソリューションズは、プライバシーに配慮したセンサー式の見守りサービス「ドシテル」のサービスを提供しています。そこで商品説明を読んだ上で見守りサービスに対する印象についてもアンケート調査を実施。(親、子への質問・単一回答)

その結果、60%以上の親子が「ドシテル」のような見守りサービスに共感できると回答し、最も共感された特長を「子ども側がスマートフォンで簡単に確認できること」と回答しています。

前出の太田氏は、この結果の総論を次のように述べています。
「毎日の様子をスマートフォンで見ていれば、“普段通り”とはどんな状態かを知ることができます。結果として、親に変化があった場合に、いち早く気づくことが可能に。早期に発見できれば、状態を進行させないための策を考え、何らかの手を打つこともできます。気づくキッカケになるのが見守りサービスです。それに、日々“変わりがない”ことを確認できると、子にとっての心的負担はずいぶん軽減すると思います」

SDGsの目標3は発展途上国向けの内容が多い印象がありますが、ターゲット3.4 「2030年までに、非感染性疾患による若年死亡率を、予防や治療を通じて3分の1減少させ、精神保健及び福祉を促進する。」は、超高齢社会を迎えるにあたり誰にとっても他人ごとではありません。さらに、目標11のターゲット11.2「2030年までに、脆弱な立場にある人々、女性、子供、障害者及び高齢者のニーズに特に配慮し、公共交通機関の拡大などを通じた交通の安全性改善により、全ての人々に、安全かつ安価で容易に利用できる、持続可能な輸送システムへのアクセスを提供する。」を踏まえた地域とそこに住む地域住民たち自らが、健康維持への意識を高める必要があります。その一方で、それらを支える環境システムもまた、地域ごとに考えていく必要性が今、SDGsの視点から求められています。


見守りサービス「ドシテル」のWebサイトはこちら