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【解説】SDGs目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」とは?解決すべき課題や現状

【解説】SDGs目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」とは?解決すべき課題や現状

#SHOW CASE
  • パートナーシップで目標を達成しよう

SDGsとは「Sustainable Development Goals」の略で「持続可能な開発目標」を意味します。SDGsには17の大きな目標と169のターゲットがあり、そのうち目標17として掲げられているのが、「パートナーシップで目標を達成しよう」です。ここでは、目標17の達成に向けての、現状と課題について解説します。

SDGs目標17の現状と課題について

ここではまず、SDGsの17番目の目標である「パートナーシップで目標を達成しよう」が生まれた背景を見た上で、その現状や課題について掘り下げて説明していくことにします。

目標17の背景

SDGsの目標17として「パートナーシップで目標を達成しよう」が掲げられているのは、持続可能な社会を実現するためには、グローバル・パートナーシップの強化が必要不可欠であるからです。世界の中にはいまだ貧困にあえいでいる開発途上国が数多く存在しており、先進国との間でその格差は益々大きなものになっています。このような状態を放置していると、貧しい人々はますます貧困に苦しむことになり、結果として人類の将来に大きな禍根を残しかねません。そこで目標17では、資金、技術、能力構築、貿易、制度・政策、マルチステークホルダー・パートナーシップ、データ・モニタリング・説明責任といった項目ごとに達成すべきターゲットが設定されています。

現状

目標17を達成し、持続可能な社会を実現するためには、多額のお金が必要になります。2030年までにSDGsを達成するのに途上国で不足している資金の金額は、なんと年間で2兆5,000億ドルにもなるという試算が、国連貿易開発会議によって示されています。そのような状況を受けて、日本をはじめとする先進諸国は、政府開発援助(ODA)と呼ばれる開発途上国に対する資金拠出を積極的に行っています。ですが、その規模はまだまだ十分ではありません。例えば、経済協力開発機構(OECD)が公表している資料によると、2021年にもっとも多くのODAを実施した国はアメリカ合衆国ですが、その金額は402億ドル。日本もアメリカ、ドイツ次ぐ3番目に多くODAを実施しているものの、162億ドルとなっており、途上国で不足している資金の1パーセント未満の水準でしかないのです。

また、途上国においては十分に税収を得られていないという実態も見受けられます。国連が定めているGDPに対する税収の目標値は最低20パーセント以上となっていますが、途上国が数多く存在しているアフリカにおいては、所得が低い国ほどその割合が小さくなっているのです。

課題

以上のような現状を踏まえて見えてくる課題は、目標17を達成するためには、途上国に対してより多くの資金を供給するとともに、途上国が税収を増やすべく取り組まなければならないということです。まず、これまでも各国は積極的にODAの金額を増やしてきましたが、その総額はまだまだ十分な金額ではありません。もっとも、いくら先進国であるからといっても無尽蔵に資金を拠出できるというわけではないため、国によってできる援助額に限界があるのであれば、各国を代表するような企業が途上国に投資を行うことを促すといった取り組みも必要になってくるでしょう。その結果、途上国で産業が育てば、自らの力で成長して行けるようになるかもしれません。

加えて、途上国の税収を増やす取り組みも不可欠です。途上国の中には、賄賂や腐敗が蔓延し、その結果として税金を納めなくても見逃されてしまっているケースが少なくありません。そういった状況を打破するために、腐敗を積極的に是正して徴税力を高める取り組みを行い、社会インフラの整備などに必要な資金を税金から捻出できるようにしていく必要があるのです。

SDGs目標17達成に向けて私たちができること

SDGsは世界規模の取り組みであるため、一見すると私たちが個人でできることはそれほどないように感じられるかもしれません。しかし、実際には個人であってもできることはくさんあります。ここからは目標17を達成するために、私たちができる取り組みをいくつかピックアップしていきますので、ぜひできるものから実践してみましょう。

教育

まず私たちにできることの一つ目は、子どもたちへの教育です。世界にはまだまだ支援を必要としている人々がたくさんいること、彼らに対して適切に支援をしなければ持続可能な社会の実現は困難である、といった点を子どもたちにしっかりと教えるのは、親としての責務であると言っても過言ではありません。そのためには、単にそういった内容を知識として伝えるだけではなく、時には子どもと一緒に募金活動などのボランティアに取り組んでみるというのも良いでしょう。そのような教育を受けた子どもたちがやがて成長して社会に出て活躍するようになれば、これまで以上に途上国への支援活動が活発になるに違いありません。

政治

二つ目は、政治に対して関心を持つということです。といっても、何も政治家にならなければならないというわけではありません。まずはニュースを見るなどして、日本の政治家がどのように途上国の支援に携わっているかを知るだけでも良いでしょう。その上で、できる限り選挙に行き、グローバル・パートナーシップの強化に向けて自分の一票を投じるようにするのが重要です。日本人の中には政治に無頓着だという人が少なくなく、それは選挙のたびに公表されている投票率を見ても明らかです。国民が選挙に興味を持つことなく、投票に参加する意思がない。そういった状況を打破するためにも、意識的に政治に関心を持つようにしましょう。

企業の応援

三つ目は、SDGsの目標17を達成すべく様々な取り組みを行っている企業を支援するということです。国レベルだけに留まらず、民間の企業の中にもSDGsの達成に向けて取り組んでいるところは少なくありません。企業のホームページなどを見れば、各社が実施している取り組みがすぐに分かるようになっています。そういった情報をチェックして目標17に関する取り組みを行っている企業の製品を購入してみるだけでも目標の達成に向けて貢献することが可能なのです。

イベントへの参加

SDGsに関するイベントへの参加も、私たちができる取り組みの一つです。自治体や企業が主催する形でいくつものイベントが開催されています。こしたイベントの中には、子どもと一緒に参加できるものも少なくないため、できれば子供の教育や家族の絆を強めるためにも、自分だけでなく家族みんなで参加してみるのがおすすめです。その上で、そこで学んだ知識を家族や職場の同僚などに伝えるようにすれば、目標達成に向けた取り組みの重要性をより多くの人々が知るようになるでしょう。このような取り組みは、一見すると地味に見えるかもしれませんが、一人ひとりが少しずつでも実践していけば、やがては社会全体を巻き込んで、途上国支援に向けた大きなうねりを引き起こすことも不可能ではありません。

一人ひとりが目標17の達成に向けて取り組もう

「パートナーシップで目標を達成しよう」という目標の達成に向けては、現状ではまだまだ数多くの課題が残されています。それらを一朝一夕に解決するのは容易ではありませんが、私たち一人ひとりが意識的に取り組めば、多少なりとも状況を改善していくことは可能です。まずは些細なことであっても自分ができる取り組みを実践してみましょう。

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