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【注目】回転寿司の未来予測。このままだと一体どうなる?


この記事に該当する目標
14 海の豊かさを守ろう
【注目】回転寿司の未来予測。このままだと一体どうなる?

※この記事は2023年2月14日に掲載したものです

世界から見ても日本の食文化は誇るべきものです。その中でも国を超えて愛されている「回転寿司」。SNSを通して不安と混乱の渦中にあり、多くの人が心を痛めていると思います。株価の暴落や衛生面が心配で客足が遠くなってしまい、お店がなくなってしまうかも…と考えた方もいるのではないでしょうか。しかし、こういった問題以外で、身近な回転寿司が未来にはなくなってしまうかもしれないとしたら…実は寿司業界は温暖化や海洋汚染などの影響でも、存続が危ぶまれているのです。今回は、そんな危機的現実をユニークにも突き付けるアート作品について、水産資源保全の観点からも考えていきます。

寿司の未来はディストピア?森美術館の「未来SUSHI」が話題に

3年に1度の日本の現代アートシーンを総覧する展示会「六本木クロッシング2022展:往来オーライ!」(会期:3月26日まで)が、六本木の森美術館にて現在開催中です。2004年から始まったシリーズ展で、今回は日本のアーティスト22組の作品全120点を紹介しています。その中でも注目を集めているのが市原えつこ氏の「未来SUSHI」。国境を越えて若者世代にも支持されているTikTokでも話題を集めています。

@mimibi301 あなたはどれが好き?@Mori Art Museum 森美術館 #六本木クロッシング #roppongicrossing2022 #森美術館 #moriartmuseum #sponsored #耳で聴く美術館 #tiktok教室 #アート ♬ Cyber space, near future, minerals, electronic music(794777) – Nyangle

海産物が獲れなくなってしまった後の回転寿司の世界を想像しており、お品書きにはメロン味とソーダ味のイワシとマグロや、高級さに拍車をかけたイクラは5粒で10万円などユニークさとどこか近未来感のある作品が展示されています。

画像出典:市原えつこTwitter(@etsuko_ichihara)

コロナ禍で多くの寿司屋やレストランが閉店し、環境危機や乱獲などの社会問題に直面しながら生きている今、そう遠くはない未来の寿司の姿かもしれない…と思わずにはいられません。未来の寿司の消費について懸念する市原えつこ氏のシュールなアイデアから生まれた数々の「未来SUSHI」たちは、この危機的状況を私たちの脳に直接語りかけてきます。

久兵衛とユーグレナが本気で予想。寿司が消える日がやってくる?

画像出典:株式会社ユーグレナ 寿司が消える日

この危機をメッセージしているのはアーティストだけではありません。株式会社ユーグレナは、2019年に銀座の老舗寿司屋、久兵衛とコラボしたキャンペーンの中で、「寿司が消える日」題して、有識者とともに消えてしまいそうな寿司ネタと、どういったことが原因なのかを予測しました。今後食べられなくなってしまうかもしれないネタを、最後に食べられる日とともに紹介しています。

2049年12月17日、サケとイクラ最後の日。

画像出典:株式会社ユーグレナ「さけ・いくら」地球温暖化によって消滅

寿司ネタとなるシロザケは、低めの水温が適しているため、地球温暖化で海水温度が上昇することにより21世紀末には日本近辺での回遊が難しくなる危険性があります。北の方へサケが移動してしまい、国産のサケやイクラは食べられなくなってしまうということです。ユーグレナと有識者が割り出した予想では、最後にサケとイクラを食べられる日は2049年12月17日とされています。

2073年8月31日、雲丹最後の日。

画像出典:株式会社ユーグレナ「ウニ」エサの減少と殻の形成困難により消滅

今でも高級な寿司ネタとして人気を誇るウニ。中でもキタムラサキウニは海水の上昇に弱いことが分かっています。さらに、育成に必要な微生物も同じように適正な水温を好むため、ウニが育たなくなってしまうことが懸念されているのです。最後にウニを食べられる日は2073年8月31日と予想。この予想が大きく外れてくれることを祈るだけでは、海産物を守ることはできません。地球温暖化は水温の上昇のほかにも、水質の酸性化や貧酸素化など、海の生き物たちにとって大きなダメージを与えてしまうのです。多くの生き物が存在する海の豊かさが損なわれ、海産物が獲れなくなってしまったら、どんな世界になるのでしょうか。

海を守ること。未来の寿司を守ること。

画像出典:株式会社ユーグレナ 寿司が消える日

回転寿司のあり方について、多くの人が関心を持っている今、寿司ネタである海産物たちが生きている海に注目すると、違った視点の問題が見受けられました。SDGsが掲げる目標14「海の豊かさを守ろう」では、健全で生産的な海の実現と、効率的な管理計画の実施がうたわれています。近い将来、今までと同じように寿司を食べるには、地球温暖化を防がなければいけません。原因となる二酸化炭素の排出量を減らすために、エコバッグやマイボトルを持ち歩いたり、エアコンの過度な使用を控えたりすることも、温暖化対策になります。寿司と共存していくために今できることは何か。できることから少しずつ実践していきましょう。