米国初の同性愛を公表した閣僚が男の子と女の子を家族に迎えた! SDGsな人権の平等とは
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米国閣僚初の同性愛を公表した運輸長官を務めるピート・ブティジェッジ氏がSNSを通して娘と息子を迎えたことを発表しました。
Twitter(@PeteButtigieg)とInstagram(@pete.buttigieg)の写真には、仲睦まじく乳児を一人ずつ抱き、笑顔で見つめあう二人の写真が公開されています。報告の投稿が公開されてから数時間あまりで数十万件の「いいね」が付き、2人の新たな人生のステージに多くの人が祝福をしました。
ブティジェッジ氏はアメリカ・インディアナ州サウスベンドの元市長で、ジョー・バイデン氏が当選した大統領選にて民主党の大統領候補として立候補したことで一躍脚光を浴びました。
現在は、バイデン大統領の指名により運輸長官を務めています。
この2人のように同性であっても結婚が認められ、子どもを迎えることができるのはSDGsの目標5番「ジェンダー平等を実現しよう」に当てはまるのではないでしょうか?
アメリカでは2015年から合法に
アメリカでは、2015年6月26日に同性婚が連邦最高裁判所により認められ、全米で合法的に同性愛者が結婚することができるように。
実は、1970年以降同性婚を認めるよう州に求める裁判の動きがあったものの、宗教的な観点などから反対する声も多く、長年協議され続けていました。
同性婚をオランダが世界で初めて2001年4月1日に認めて以降、2003年にベルギー、2005年にはスペインと現在29カ国で同性婚が合法的に認められています。(2021/09/28現在)
同性婚が認められることでカップルが受けるメリットは、国ごとの法律によって変わってきますが、代表的なものの一つが、今回のブティジェッジ氏のようにパートナーとの実子や養子の親権*を得ることができます。
※親が(未成年の)子に対してもつ、身分上・財産上の保護監督、教育に関する権利・義務
また、親権の問題だけではなく婚姻が認められないことは、「家族割」や「企業の慶弔休暇」、「入院中のパートナーへ親族としての面会」なども認めてもらうことができません。
※一部企業やサービスではパートナーシップでも認められるケースもあります。
日本におけるパートナーシップの現状は?
日本ではまだ、同性愛者の結婚を認める合法的な法律は認められていないのが現状です。同性婚は認められていないものの、2015年から、東京・渋谷区をはじめとする118(2021/09/28現在)の自治体でパートナー宣言が認められる「パートナーシップ制度」の導入が増えています。
「パートナーシップ制度」と「結婚」の大きな違いは、国が認めているかどうかです。つまり、同性者間の婚姻は法律上では認められていないため、国が定める制度には通用しないのが現状です。
「パートナーシップ制度」により認められたカップルの、公営住宅への入居や、病院にてパートナーとして扱ってもらうことなどが可能になりましたが、国には認められていないため、親権を2人で持つことや、葬儀への参加はできません。
つまり、日本在住の同性愛者の方々は人生を共に過ごした相手と、異性のカップルが得られる「あたりまえの」権利がないのが現状です。
SDGsの目標達成とLGBTQへの理解
SDGsの目標5「ジェンダー平等を実現しよう」にあるように、全ての人が性別関係なく平等に機会や権利が与えられる社会が本当の「平等」と言えるのではないでしょうか?
また、その平等を叶えるためには目標5番だけでなく、目標3「すべての人に健康と福祉を」の中に含まれる、「すべての人が性などに関して、適切な教育を受けることができ、情報を得られるようにすること」も目標達成への一歩になると考えられます。
すべての人が平和に、心も身体も健康に過ごせるような平等な社会作りは、知ることから始めるのが何よりも大きな力になるのかもしれません。