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OPINION

「ターレ」を通して伝えたい三菱ロジスネクストの社会への貢献


この記事に該当する目標
3 すべての人に健康と福祉を 8 働きがいも経済成長も 13 気候変動に具体的な対策を
「ターレ」を通して伝えたい三菱ロジスネクストの社会への貢献

みなさんは、ターレを知っているでしょうか。ターレと聞いてもそれが食べ物なのか地名なのかもわからない、という人もいるでしょう。ターレとは、正式名称をターレット式構内運搬自動車と言い、卸売市場をはじめ、工場や倉庫、鉄道駅の構内などで荷役用として広く利用されている運搬車です。名前は知らなくても、築地市場から豊洲市場への移転が行われた際に、テレビなどの報道で見たことがある人もいるかもしれません。三菱ロジスネクストでは、豊洲市場をはじめ多くの市場で活躍するターレ「エレトラック」をつくっています。

「ターレ」について

ターレは、市場内で主に食品などの運搬に使われています。立った状態で乗車するのが一般的で、前面の大きなハンドルを操作することによって市場内を効率よく移動することができます。
三菱ロジスネクストのターレは約50年前に開発され、主に工場の運搬車両として利用されていました。卸売市場への導入のきっかけとなったのは、東京都が築地市場で検討していた排気ガス規制です。当初はパワー不足などの問題から実用化は難しいとされましたが、制御システムの工夫などによってパワーアップを実現。さらに、市場に落ちているビニールひもがチェーンに巻き付いてしまうという問題の解決のため、チェーンを使わない構造に改良が行われ、築地市場に正式導入されるようになりました。他にも、三菱ロジスネクストでは水産市場の錆びやすい環境に合わせて防水・防錆(ぼうせい)化を進めたり、荷台の耐久性やヘッドライトの照度を強化したりと使用現場の人々の声を取り入れた改善を続けています。
毎日大量の食品が運搬される市場において、小回りが利き操作も簡単なターレは人々に重宝され、狭い構内での運搬効率を上げたことで市場全体を支えています。

SDGsへの貢献

さて、そんなまさに縁の下の力持ち、とでもいうべき活躍を見せるターレには、様々な社会問題に対してのアプローチが反映されています。SDGsという言葉が日々聞かれるようになり、社会問題への関心が高まる中で、乗り物と言うと環境負荷の大きいものというイメージがあるかもしれません。しかし、三菱ロジスネクストのターレ「エレトラック」はただ便利なだけでなく、SDGsの達成にも貢献しているのです。ここでは、「エレトラック」がどのようにSDGsに関わっているのか、大きく二点に分けて紹介します。
まず、「エレトラック」はバッテリー式ターレで、電気がエネルギー源であるため排気ガスを排出せず使用することができ、大気汚染等の環境負荷の軽減に貢献しています。これはSDGs目標13「気候変動に具体的な対策を」に関連しています。更に、市場に並ぶ魚や青果などの食品に排気ガスや有害物質がかかることもなくなり、目標3「すべての人に健康と福祉を」にも関係していると言えるでしょう。
次に、実際にターレを使用する働き手の立場を意識する姿勢についてです。元々、物流業界には重労働のイメージがあった人も多いのではないかと思います。しかし、ターレの登場によって効率的で負担の軽い運搬作業が可能になり、働き手の多様化にも貢献しています。中でも特に「エレトラック」は、運転がしやすく振動による運転者への負担も軽いことから、働きやすさにも大きく寄与しました。これは、目標8「働きがいも経済成長も」につながっています。

今後もさらなる改善、進化を

市場を支え、SDGsにも貢献しているターレ「エレトラック」ですが、今ある課題を解決して終わりではなく、これまでと変わらない現場に寄り添う姿勢で常に改善、進化を目指しています。
例えば、現在使用しているバッテリーを鉛電池からリチウムイオン電池へと変更し、消費電力を減らすことなどを新たに提案しています。リチウムイオン電池を使用すれば、充電時間が短縮される上、鉛よりも軽量で、電力残量が減っても出力が下がりにくいなど、実際に使用するにあたっても多くのメリットがあります。また、これにより、「気候変動に具体的な対策を」に加えて目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」などにも貢献できるようになります。
更に、現場から要望のある安全機構の追加なども検討しています。これが実現すれば、今よりも一層多くの人が運搬時の事故を防ぐことができるようになり、「働きがいも経済成長も」への貢献度もより深まっていくと考えています。

より住みよい社会のために

三菱ロジスネクストでは、ターレに限らず更なる物流の自動化・知能化に向けて技術開発を進めるなど、カーボンニュートラルを実現することを目指し、積極的な動きが始まっています。誰も予想しなかった新型コロナウイルス感染症の流行によって世界が一変したように、今後も社会は大きな変動を続けるでしょう。企業として、変化する社会と現場のニーズに合わせて価値のあるものを創出し、より住みよい社会を実現していくという姿勢は、長く愛されているターレのように、これからも守っていきたいものです。