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プラスチックリサイクル率10% 国連は「地球が窒息しかけている」と発表


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12 つくる責任つかう責任 14 海の豊かさを守ろう
プラスチックリサイクル率10% 国連は「地球が窒息しかけている」と発表

第5回国連環境総会(UNEA5)が、2022年2月28日〜3月2日にかけてナイロビを拠点にオンライン開催され、約150か国の代表、市民団体、NGO等が出席しました。
UNEA5を開催した​国連環境計画(UNEP)は、1972年​ストックホルムで​「かけがえのない地球」をキャッチフレーズに開催された国連人間環境会議の提案を受け、同会議で採択された「人間環境宣言」および「環境国際行動計画」を実施に移すための機関として同年に設立されました。

今年開催されたUNEA5では、​「持続可能な開発目標の達成に向けた自然のための行動強化」をテーマとし、特にメイントピックとして扱われたのが「海洋プラスチックの汚染」。生態系を守るためにも、UNEA5では海洋プラスチックの問題解決に向けて取り組んでいくことを表明しました。

そんな海洋プラスチック汚染にまつわる調査を国連環境計画(UNEP)が発表し、そのタイトルには「地球がプラスチックで窒息しかけてる」というなかなかドキッとするようなワードがチョイスされています。

プラスチックの現状

プラスチックの生産が活発になったのはごく最近のこと。1970年代までは生産量も比較的少なく、廃棄の管理などがしやすかったものの、1990年代にかけてプラスチックの破棄量は1970年代に比べて約3倍にまで膨らみ管理が難しくなっています。
そのためプラスチックの廃棄処理を管理しきれなくなった結果、川や海に流される汚染物として、マイクロプラスチックが大量発生してしまったのです。

世界の総人口の体重と同じ…?

現在、毎年約3億トンのプラスチックゴミが発生しており、その量は驚く事に世界の総人口の体重と同じだそう。
また、さらに驚くことにこれまでに生産された70億トンのプラスチックゴミのうち、リサイクルされているのはたったの約10%なのです。生産されたうち約90%はリサイクルされず、燃やされたり埋立地に埋められたりと、自然環境に残されているのが悲しくも現状です。

街で気軽にポイっと捨てているプラスチックゴミは、雨や風などによって川まで運ばれ、その後時間をかけて小さくなりながら最終的に海に到着します。そのようにして運ばれた海洋プラスチックの量は、約2億トンとも言われています。
このままのペースでプラスチックゴミが発生すると、海に流れるゴミの量は2040年には年間2,300〜3,700万トンに及ぶと予想されていており、その量は2016年の約3倍2050年には、世界中の魚の重量を超えてしまうのではないか、との予測も発表されています。

海の健康と私たちの健康を守るために

プラスチックは自力でなくなることはなく、小さく小さくなりながらこの世に残り続けます。

マイクロプラスチックの影響は海の中だけでなく、私たち人間の体内にも侵入し、臓器に蓄積していく恐れがあります。最近の研究では、新生児の胎盤からマイクロプラスチックが検出された事例もあるなど、その脅威はすぐそこまで来ています。

プラスチックが人体にどのような影響を起こすのかについては、まだ全容が解明できていないのが現状です。私たちの身体に蓄積されたプラスチックがどのような健康被害を起こすのかが解明された時には、手遅れになる可能性もあります。

今日からできる3つのこと

今、このような状況を変えようと各国の政府や機関が動いています。しかし、この状況を変えられるのは私たち一人一人の行動なのかもしれません。

少しずつ自分の意識を変えていくだけで、地球環境は良い方向に進み、持続可能な社会が実現に近づきます。

1.マイボトル/マイバックを生活のお供に
2.ゼロウェイストを意識してみるライフスタイルに挑戦
3.使い捨てアイテムを卒業し、お財布にも地球にも優しく
など、無理のない気軽にアクションを起こせるものからチャレンジしてみることが大きな前進になるのではないでしょうか?

海の生態系を守ることは、私たち人間の健康や未来を守ることに繋がります。
プラスチック製品の行く末を意識して便利なプラスチック製のアイテムを使用することが現代社会で足りていない要素だといいます。

今だからまだ間に合う。
少しずつ意識を変えてみませんか?