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スープストックだけじゃない!知る人ぞ知る「スタバ」「一蘭」の真心あふれる試み

スープストックだけじゃない!知る人ぞ知る「スタバ」「一蘭」の真心あふれる試み

#TREND
  • 人や国の不平等をなくそう

5月5日はこどもの日でした。最近話題になったSoup Stock Tokyoの「離乳食の無料提供」「咀嚼配慮食」へ向けられた声をみると、誰も取り残さない・ダイバーシティ(多様性)とは一体何だろうと考えさせられます。子連れだけでなく、さまざまな社会的弱者をインクルージョン(受容)するお店の取り組みは、みなさんが知っているあのラーメン屋・カフェチェーン店でも実は以前から行われています。賛否の声とともにアップデートされてきた、各社の想いとともに振り返っていきましょう。

世の中の体温を上げる、Soup Stock Tokyo 離乳食(後期)の無料提供

画像出典:Soup Stock Tokyo

全国で展開するスープ専門店チェーンのSoup Stock Tokyoでは、2023年4月26日に発表された、離乳食の無料提供に関する声明に注目が集まり、Twitterで話題となりました。
4月25日から全店舗で離乳食の無料提供を開始することを発表。、これを受け、今まで利用していた一部のユーザーから「1人客への配慮がなくなった」などの批判の声や「子どもとゆっくりご飯が食べれて嬉しい」と肯定する声など、様々な意見がTwitterで広がりました。
この反響を受けてSoup Stock Tokyoは、様々な理由で食べることへの制約がある人や、自由な食事がままならない人たちへの助けになれるようにバリアフリーの取り組みを推進していることを声明し「年齢や性別でお客様を区別しない」という想いが、多くの支持を得ました。

画像出典:Soup Stock Tokyo

また、同社では2021年11月8日から、噛むことが困難に感じる人たちへ対応する「咀嚼配慮食」サービスの提供を一部店舗で始めています。その他にも様々なD&Iを推進する施策も、離再度認知されることになりました。

一蘭、アプリ限定で小学6年生(5名まで)お子様ラーメンが無料

画像出典:一蘭

全国に約80店舗を展開するとんこつラーメン専門店「一蘭」は、一人用の席が並ぶ店内が特徴のラーメン店ですが、公式アプリを利用することで大人1名につき小学6年生までの子ども5名分のお子様ラーメンが無料というサービスを提供しています。
この背景には、親子連れで来店する際にラーメンを取り分けることで、親子共に一蘭が提供したいと考える状態で食べることができないのではないかという考えが。最高のラーメンを食べてもらいたいという一蘭の強い想いが形となったサービスです。
全店舗で展開されていることもあり、「子ども用のオーダーシートもあるしブースの仕切りも外してもらえたし、とにかく子どもウェルカムなだけで嬉しい」「アメリカの無料給食みたい」など現在も多くの反響を呼んでいます。

手話が共通言語!国内初のスターバックス サイニングストア

画像出典:スターバックス

また、世界最大のコーヒーチェーン店である「スターバックス」では、2020年6月27日に手話を共通言語とした国内初の店舗を東京・国立市にオープンしました。
聴覚に障がいのある従業員を中心に、主なコミュニケーションに手話を使用することで様々な人が心地よく過ごすことができる居場所を提供したいという考えのもと、手話を通じてコミュニケーションの多様性を感じてもらうことで「できる・できない」ではなく「する・しない」の選択をできる社会を目指すスターバックスならではの取り組みです。

手話でのオーダーに加えて、音声や指差し、筆談でも注文可能
画像出典:スターバックスコーヒージャパン

スターバックス コーヒー ジャパンのCEO、水口貴文氏は「店舗のコンセプトは“Infinite Possibilities(無限の可能性)”。私たちパートナーの夢を店舗という形にしました。聴覚に障がいのあるパートナーやお客様にとって、ありのままの自分で居られる場所であり、障がいのある若者にとって夢や未来を描ける場所、そしてこの店舗を訪れた誰もが新たな気づきを得られる場所になればと考えています。」と述べています。

私たちが気づきにくい「特権性」とは?

「マジョリティー」「マイノリティー」という言葉を聞いたことがある人は多いかと思います。マジョリティーとは、本来では「多数派」を意味する一方で、強い発言力を持ち優位な立場に立つ人々のことも指し、その逆の意味がマイノリティーとされています。
例えば「高所得の人」は買えるものでも「低所得の人」では買えないものがあったり、「健康な人」は不便と感じないことでも「病気や障害を抱える人」にとっては不便と感じることがあるなど、マジョリティー側の人にとっては当たり前のことが、実は優位な立場かもしれない。特権性とは、このようにマジョリティの社会集団にたまたま属することで、自動的に受け入れられる優位性のことです。

自分も優位な立場かもしれない、批判する前に一歩立ち止まってみる

SDGs10の目標でも「人や国の不平等をなくそう」が掲げられています。年齢や性別、障害や経済状態に関わらず、すべての人々が取り残されないための取り組みは、対話や相互理解にかける時間が足りていない現代の日本においても重要なことですよね。
「何かを選ぶことは、他を捨てること」という言葉もありますが、「何かを選ぶとき、そこにはどのような特権性があるか」という視点も忘れずに。批判をする前に、自分でも気がつかないうちに優位な立場にいるのかもしれない、と一歩立ち止まって考えてみるのも大切です。

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