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アジア初となる世界的なチャリティイベントが開催!人助けに遠慮がちな日本でチャリティー文化が根付くことに期待


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4 質の高い教育をみんなに
アジア初となる世界的なチャリティイベントが開催!人助けに遠慮がちな日本でチャリティー文化が根付くことに期待

日本人の国民性とはどんなものでしょうか。親切、きれい好き、治安がいい、おもてなし精神など良い面がたくさんある中で、どうしても見逃せないテーマがあります。それは、「寄付をしない国」ということ。この結果は、イギリスの慈善団体『CAF(Charities Aid Foundation)』による世界最大規模の調査「 World Giving Index 2022」に記録されています。果たして日本人が寄付や慈善活動をためらってしまう理由は何なのでしょうか。

世界ワースト2位!見過ごせない日本の現状を考えてみよう

「 World Giving Index 2022」の調査では、
過去1ヶ月間に以下のようなことをしましたか?
・見知らぬ人、または助けを必要としている人を助けましたか?
・慈善団体にお金を寄付しましたか?
・ボランティアに参加しましたか?

という3つの質問に「はい」か「いいえ」で答えます。その結果、日本は119カ国中118位。世界最下位から2番目という悲しい数字でした。また、内閣府のデータによると法人や財団と比べて個人による寄付額がアメリカ・イギリスでは8〜9割なのに対し、日本は2割弱。日本人が慈善事業に対して世界基準ではかなり消極的であることが分かりました。この理由について、国民性として寄付やボランティアを義務のように感じてしまう可能性が高いと述べられていました。一方、1位のインドネシアは、5年連続で最高得点を獲得しています。インドネシア人の多くが信仰するイスラム教やキリスト教、ヒンズー教などの宗教やゴトンローヨンと言われる地域に根ざした助け合い精神がこうした結果を後押ししているそうです。

持続可能な未来に向けて成長する世界の財団とは

CAFによると慈善事業の大きな目的は、持続可能な未来に向けて、社会の進歩を加速させることだといわれており、世界にはこのような目的で設立された財団が多くあります。有名なところでは、オランダの「スティヒティング・インカ・ファウンデーション」。ここはIKEAグループの親会社「インカ・ホールディングス」を所有している財団法人で、「建築とインテリアデザイン分野におけるイノベーション」という目標を掲げています。
次に、世界最大級とも言われるアメリカの「ビル&メリンダ・ゲイツ財団」は、マイクロソフト元会長のビル・ゲイツと妻のメリンダによって2000年に創設された慈善基金団体です。創設以来、「全ての生命の価値は等しい(ALL LIVES HAVE EQUAL VALUE)」という信念のもと、全ての人々が健康で豊かな生活を送るための支援を実施してきています。

世界的なチャリティイベント「Global Gift GALA」が東京で開催!特別な体験やアイテムが出品されるオークションにも注目!

スペインの「The Global Gift Foundation 」は、スペインの女優であり実業家のマリア・ブラボーによって2013年、社会的に弱い立場の人たちの生活にプラスになることを目的として設立されました。このゴールを達成するために多くの独自のプロジェクトを展開しています。
The Global Gift Foundationの活動の一つである「Global Gift GALA」は、SDGs 活動をはじめとする社会貢献を実現するために世界各地で開催されているチャリティイベントです。2022年はアジア初となる「Global Gift GALA in Tokyo 2022」がグランドハイアット東京にて12 月 5 日(月)に行われました。
GALAという言葉は「盛大なお祭り」という意味ですが、楽しみながら社会貢献を行うイベントを呼ぶ意味もあり、欧米では広く認知されています。その名の通り、多くのセレブリティが駆けつけました。『レオン』や『ミッション:インポッシブル』で有名なフランスの俳優ジャン・レノ、『戦場のピアニスト』でアカデミー賞主演男優賞を受賞したエイドリアン・ブロディ、映画『美女と野獣』でガストン役を務めたルーク・エヴァンスなどが来日。国内からはデヴィ・スカルノ、アンミカ、Matt、板野友美、アレックス・ラミレス(横浜DeNA ベイスターズ元監督)らが出席。日本らしい演出として鏡開きが行われると、May J のライブやEBIKEN(蛯名健一)によるダンスパフォーマンス、社会貢献に対する表彰など華やかなステージが次々と繰り広げられました。

GALAの目玉でもあるオークションでは、親日家としても知られるジャン・レノが日本でも5社にしか許されていない”ジャパニーズウィスキー”を製造する西酒造のオーナーズカスクを1,900 万円で落札しました。オーナーズカスクとは、酒樽を1樽丸々所有することで、まさに究極の権利。そのほか、エイドリアン・ブロディが来日してから一夜にして描き上げたといわれる絵画が2200万円で落札されるなどして、オークションの総額は8,000万円に登りました。この収益は、多くの社会的弱者の支援団体やチャリティ活動に活用されるそうです。

The Global Gift Foundationにはグローバルギフトアンバサダーと呼ばれる、イベントを支援する歌手・俳優・アスリートたちがいます。デヴィッド・ベッカム夫妻をはじめ、クリスティアーノ・ロナウド、マライア・キャリー、サセックス公爵夫人のレイチェル・メーガン・マークルなど、名だたるハリウッドスターやセレブリティが財団に賛同しています。
このように先進国で慈善事業が盛んに行われる背景には、イギリスやアメリカでチャリティを通して持続可能な社会を実現するという価値観が小学校教育から取り入れられていることが挙げられます。
日本の子どもに対する金融教育はまだ始まったばかりで、多くの先進国に比べて遅れをとっています。しかし、近年では「ふるさと納税」や「クラウドファンディング」など助け合いの精神を形にしやすい仕組みが増えてきています。実際に2011年に発生した東日本大震災では、国民の約8割の人が寄付をしたというデータもあるそうです。これから伸びしろのある日本。「Global Gift GALA」のようなイベントが日本人主催で開催され、慈善事業へさらに参加する人が増えていくことを期待したいですね。