Woman Empowerment女性の社会進出と生理。まずは自分を知ることから始めよう
この記事に該当する目標
ジェンダー平等とは
SDGsの5つ目の目標にもなっている「ジェンダー平等の実現」。
世界では女性であるというだけで、教育を受けられない、身体が大人になる前の10代で結婚・妊娠・出産や人身売買で売られてしまうなど、さまざまな差別を受けるケースがあります。大人になっても、外で自由に仕事をすることは許されず家事や育児に専念するしかない、家庭の中で暴力を受けるなど差別に苦しむ女性も少なくありません。内閣府男女共同参画局の調査によると、2020年4月~2021年3月のDV相談件数は19万30件で 2019年度約1.6倍にのぼりました。
こと日本では、上記のような差別は無くなりつつありますが、まだまだ女性への理解は浸透しているとはいえません。
PMSってなに?
例えばPMSについてです。PMSとは「月経前症候群」のことを指します。月経前の3~10日の間に続く精神的・身体的な症状で、月経が始まるとともに症状がおさまったり、無くなったりするものを指します。症状は人それぞれですが女性のほとんどが何らかの不調を示します。
このPMSの症状ですが世の中の男性の認知度はというと、なんと12%(2021年フェムテックtv調べ)
。ほとんどの男性がPMSの実態について理解していない状況にあります。根本的な身体的な違いへの理解はまだまだ改善すべき段階にあると言えるでしょう。
それでは、女性自身、自分の身体の事をどこまで理解しているのか、自分の生理とどのように向き合っていくべきなのかを見てみましょう。
セミナーを通して
今回開催されたW society特別セミナー「私を知ろう~キャリア編~」では女性のキャリアアップとライフプランについて、第一線で働く女性3名から貴重なお話を聞くことができました。ゲストスピーカーの3名を下記でご紹介します。
・谷内 侑希子(たにうちゆきこ)さん
外資系証券会社、ファッション系PRエージェンシーで経営企画室長などのキャリアを経て、2020年に独立。毎日の激務で生理不順や不妊治療も経験。現在は女性のホルモンバランスや体調変化をテーマとしたセルフケアブランド「WRAY(レイ)」を立ち上げ、プライベートでは二児の母。
・廣岡絵美(ひろおかえみ)さん
新卒でANAに入社。23歳でご結婚、出産のために一度退職。キャリアがないまま主婦、母親になったことでキャリア復帰の難しさを実感し、女子学生に特化した就活塾を主催。その後、キャリアアップスクールや女子学生の就活支援事業などを手がけるLiLi(リリ)株式会社を設立。
・岡田 有香(おかだ ゆか)さん
産科・婦人科すべての領域に携わり、ご自身も不妊治療を行う中で不妊予防に興味を持ち、SNSを通じて生理痛や不妊・妊活の知識を発信中。2022年4月に開業予定の「Grace杉山クリニックSHIBUYA」にて院長就任。
今回のトーク内容で、共通していたのが「生理不順」。
『働き詰めで生理不順だったが重要視せずに病院になかなかいかなかった』
『出産後、生理不順となったがよくあることだと思い受診しなかった』
これは多くの女性が共感してしまう問題ではないでしょうか。下記は生理管理アプリ「ルナルナ」で行われたアンケートの結果です。今回のセミナーだけではなく、多くの女性が生理不順を経験しているにも関わらず、半数以上が病院へは行っていないことが分かります。
軽視されがちな生理不順や、生理痛の変化は精神的なストレスや、病気の兆しだそうです。
生理痛がひどくなると子宮内膜症になりそれが不妊に繋がってしまうことがあります。これらの問題は今後の妊娠、出産とライフプランに大きく関わることになってしまいます。
ジェンダー平等として、今後も働きながら女性としてのライフプランも充実させるためには、男性の理解はもとより、まずは自分自身が生理やPMSとどう向き合うかが大切となってきます。アメリカと比べると、日本では女性の自分自身の身体への関心が低いと言われています。
なぜなら日本とアメリカでは性教育の過程から差があると言われているからです。そのため、今話題となっているフェムテックに関してもまだまだ浸透しているとは言えません。
まずは自分の身体と向き合うことでジェンダー平等の社会を作っていくのです。
現代女性の生涯の月経回数は?
女性の生涯の月経回数は、昔は50~100回といわれていましたが、現代では450回と約5倍といわれています。
その分、子宮や卵巣に問題を抱えやすくなりますし、当然その分生理痛と向き合う時間も増えます。そして、出産の高齢化も進んでおり、そのため不妊治療が生じ、女性のライフプランは大きく変化します。例えば、将来2人は子供が欲しいというのが今一番多いと言われているそうです。ただ、そうなると年齢と体内に残された卵子の数が密接に関係しており、加齢による影響が少なからず出てきてしまいます。
妊娠するには卵子の質も量も両方が大切になってきます。どんな方法があるのか、まずは専門家である産婦人科でのカウンセリングを受けてみましょう。
最後に
今回のセミナーを聞き、些細なことでもまずは聞いてみよう。そう思わせてくれることがたくさんありました。気になったら専門家に聞いてみよう、という行動が自分を知るきっかけになるのではないでしょうか。一人で抱え込まないで、女性の働き方や生き方は、もっと自由であっていいのではないでしょうか。
自ら選択肢を狭めるのではなく、ご自身の身体としっかり向き合った上で、人生プランを見つめながら選択肢を広げていって欲しいなと感じました。
ひとり一人が納得した選択肢を選べるように、一度立ち止まって考える時間も必要。まずは「自分のカラダの現状を知ること」から始めてみてはいかがでしょうか。