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治療に伴う心の負担を軽減する「アピアランスケア」とは。ヘアドネーションで貢献「fino ウィッグBank」


この記事に該当する目標
10 人や国の不平等をなくそう
治療に伴う心の負担を軽減する「アピアランスケア」とは。ヘアドネーションで貢献「fino ウィッグBank」

みなさんはヘアドネーションという活動をご存じですか?
ヘアドネーションとは、伸ばした髪の毛を医療用ウィッグの素材として寄付する活動のことです。医療用ウィッグは、病気や怪我が原因で髪に悩みを持つ方々が自分らしく活躍できるようにサポートすることを目的に、日本でも複数の団体がヘアドネーションを募っています。

病気や怪我による外見のケアの現状

日本ではがんの罹患率が増加傾向にあり、3人に1人は20〜60代の就業可能な年齢で罹患していると言われています。一方で、医療の進化に伴い入院日数も以前より短くなるなど、社会と関わりを持ちながら治療するケースも増えているのが現状です。
こうした現状から注目されているのが「アピアランスケア(外見のケア)」です。なかでも医療用ウィッグは、抗がん剤や放射線治療の副作用による脱毛症や無毛症などで髪に悩みを抱える方々のアピアランスケアとして重要な役割を担い、その需要はがん患者の増加に伴い高まっていると言われています。

関心が広まりつつあるヘアドネーション

2022年に実施されたヘアドネーションに関する意識調査アンケートによると「ヘアドネーションをしてみたいか」という問いに対して全体の40%、女性に限ると53.3%が「興味がある」という回答結果に。しかし、興味関心が広まる一方で「ヘアドネーションを経験したことがある」と回答した人はわずか3.3%という結果でした。ヘアドネーションをしたくてもハードルが高そうというイメージを持った人たちが多いようです。

フィーノが展開する「fino ウィッグBank」で笑顔を届ける

医療用ウィッグをとりまくすべての人をつなぐプログラムの一環として始動した「fino ウィッグBank」は、ヘアドネーションを募るだけではなく、寄付された髪を医療用ウィッグ製作のために支援団体へ提供する、ファイントゥデイ資生堂のヘアケアブランド「フィーノ」が展開している取り組みです。

「商品と、ヘアドネーションに参加しやすい環境づくり」という両側面から医療用ウィッグを必要とする人々をサポートすることを目的に、ヘアドネーションをより身近に感じてもらえるような取り組みを展開しています。

ヘアドネーションによりカットされた髪の毛の発送は、一部のヘアドネーション対応美容院で請け負っている一方で、提供者が自ら発送するケースが主流とされています。そんな中、フィーノの「fino ウィッグBank」では、ヘアドネーション提供者の想いとともにレシピエント(医療用ウィッグの受け取り手)の元へ届けることを目的に「fino オリジナルドネーションキット」の無料配布を行っています。キットにはドネーションする髪の毛を送るための返送⽤封筒・ドネーションカットをするためのヘアゴム・提供者への髪の毛のケアを目的としたお試し用のヘアオイルが同封されています。ヘアケアブランドのフィーノだからこそ、提供者へのサポートも考えた想いの伝わるキットですね。

また、医療用ウィッグの製作や販売だけではなく、ヘアドネーションの対応や医療用ウィッグのカット対応が可能な美容院の開拓も「fino ウィッグBank」の活動のひとつとして取り組まれています。ヘアドネーションへの関心が高まりつつある中で、対応可能な美容院やサロンも徐々に増えてきていますが、やはりまだ対応できる店舗が少ないのも現状です。

一般的に、1つのウィッグを作るために一定以上の長さの髪が20人~30人分必要とされている中で、少しでも多くの人々に医療⽤ウィッグを⼿頃な価格で手に入れることができる環境作りと、医療⽤ウィッグ製作技術のための講義⽤として寄贈するなど、幅広い活用法を設けることで多彩で自由なヘアドネーションを提案しています。

さらに新しい取り組みとして、多くの人々にフィーノが目指すヘアドネーションを届けることを目的に、2022年12月12日(月)~12月18日(日)までの期間で渋谷の「MAGNET by SHIBUYA109 ビッグボード」にて屋外広告が掲出されています。17日と18日の2日間は「fino オリジナルドネーションキット」とオリジナルマガジン「Neo Hair Donation Magazine」が配布されるとのこと。これを機にヘアドネーションへの興味関心のきっかけとなるといいですよね。

ヘアドネーションに関する意識調査にもあったように、ヘアドネーションへのハードルを感じている人々の理解を深めつつ、多くの人に安価で医療用ウィッグを届ける活動は「人や国の不平等をなくそう」などのSDGsの目標にも貢献していると言えます。
人々の想いをつなぐ「fino ウィッグBank」の今後の活動にも注目してきたいですね。