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GoogleやAmazonが取り組んでいる「ドッグ・カンパ二ー」とは?ペットがもたらす癒し効果について考えよう


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3 すべての人に健康と福祉を
GoogleやAmazonが取り組んでいる「ドッグ・カンパ二ー」とは?ペットがもたらす癒し効果について考えよう

新生活が始まる4月。環境や人間関係が大きく変わり、疲れやストレスを感じる人も多いのではないでしょうか。忙しい日々では、なるべくストレスを溜めずに、少しでも好きなことに時間を割いたり、人と会話をしたり心の健康を守ることが大切です。今回は、特に多くの人が癒されたことのある「ペット」について、その癒しの効果について考えていきましょう。

犬と人間の古い関係とは

日本のペットというと、犬猫を思い浮かべる人が多いと思います。ペットフード協会による2022年12月の調査では、日本の犬の飼育数は705万頭でした。犬は人間と共生を始めた最も古い家畜であり、人との繋がりが強く、「癒し」の力が大きいとされています。麻布大学獣医学部の菊水健史教授らの研究グループによると、一緒に長く生活すればするほど、お互いの感情がシンクロする「情動伝染」が起こりやすくなるそうです。これにより、生活の中で、犬と飼い主の間での信頼関係がきちんと出来上がっていくことが分かります。

こうした共感が起こる理由は、見つめ合うことなどによって分泌される「オキシトシン」というホルモン。人間の母子間で行われる抱擁や皮膚接触の際に分泌されるオキシトシンですが、気持ちを落ち着かせる「セロトニン」や、快感や多幸感を感じる「ドーパミン」などの神経伝達物質の分泌も促してくれます。セロトニンがしっかり分泌されていると、自律神経を整えることができ、結果的に、ストレスやイライラも軽減されていくそうです。

Google、Amazonは「ドッグ・カンパニー」!?

うつ病やストレス解消のために導入されているアニマルセラピー。アニマルセラピーには、意欲が湧く、感情表現が豊かになる、運動量がアップする、発達障害や認知症、生活習慣病といった病気の回復をサポートするなど、心身に良い影響を与える可能性があります。そのため、障害者グループホームや老人ホームで取り入れるところも増えてきています。

経済産業省のデータでは、新型コロナウイルス感染症が拡大した2020年に、ペット・ペット用品のホームセンターでの販売額が、前年比8.2%増と大幅に増加しました。個人レベルではどうにもできない大きな変化に対処するために、ペットに癒された人が多かったということが分かります。

世界的企業のGoogleでは、自らを「ドッグ・カンパニー」と称し、従業員にペットの健康保険を提供しています。また、Amazonには、社員が安全な方法で犬を職場に連れてこられるよう「Dogs at Work」というプログラムを設け、現在、アメリカとオーストラリアにある100以上のオフィスに10,000匹以上の犬が出勤しています。同社では、創業当時から従業員がペットを職場に連れてきており、そのまま企業文化となっていったそうです。その他、Salesforce、Airbnbなどでもペットを好意的に受け入れる制度を導入しています。

ペットだけじゃない!?ロボットにも癒しの力が

最近では、動物だけではなくロボットにもアニマルセラピーと同様の効果があると言われています。国内のロボットベンチャーであるGROOVE X 株式会社は、人とロボットとの間にオキシトシンを介した絆が形成される可能性を示す、世界初の論文を発表しました。

同社によって開発された「LOVOT」の特徴は、10億通り以上の瞳による自然なアイコンタクト、そして温かさと柔らかさを兼ね備えた唯一無二のボディ。資生堂との共同実証実験ででは、普段からLOVOTと自宅で触れ合っているオーナーと、普段LOVOTとの関わりのない非オーナー約50人を対象に実施。
15分間「LOVOT」と触れ合った前後のコルチゾールを比較すると、オーナー群、⾮オーナー群ともにストレスによって分泌されるコルチゾールが減少していることがわかりました。さらに起床時の尿中オキシトシン採取では、オーナー群は⾮オーナー群に⽐べ、定常オキシトシンが⾼いことが判明しました。この結果から、「LOVOT」は、穏やかで温かな時間を日常生活に提供することができるヒトとの関係性構築を目的に開発されたロボットといえます。

海外では、KEYi Tech社のペットロボット「Loona」が人気です。「Loona」は、名前を呼ばれるとユーザーの元に駆け付け、撫でられると喜んで甘えるような動きをします。4つの車輪で自由に動き回り、闘牛ごっこをしたり、猫のようにレーザーポインターの光を追いかけたりするなど、お茶目な一面も。クラウドファンディングで、約300万ドル(約4億900万円)を集めたことで製品化が決定しました。

なにかと新しい環境でストレスや疲れを感じやすくなる4月。ゴールデンウィーク明けは、特に憂鬱になりがちな時期でもあります。そこで、心を癒すための手段として、ペットやペットロボットと触れ合う機会を作ってみてはいかがでしょうか?ただ、ペットを家族同然のように可愛がる人もいれば、それぞれの事情により最後まで飼いきることの難しさも問題になっています。ペットと私たち、双方が持続可能な社会生活を送り続けるためにも、ロボットペットなども候補に入れながら、自分なりのリラックス方法を見つけてみてはいかがでしょうか?