新しい観光のかたち。サスティナブル ツーリズムをエコアイランド宮古島から始めよう
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いま、新しい観光のかたちが注目されています。訪日旅行のプロモーションやマーケティングを主に行っている日本政府観光局(JNTO)によると、新型コロナウイルスのパンデミックにより世界的に「レスポンシブル ツーリズム」を支持する動きが高まっているそうです。レスポンシブル・ツーリズムとは、観光客も含めた観光に関わるすべての人が、その土地に与える影響に責任を持つべきであるという考え方。みんなでよりよい観光地を作っていくというサステナブルツーリズムと考え方が共通する部分も多いです。今回はこのようなトレンドの中、旅行者が年々増加している沖縄県宮古島のレスポンシブル・ツーリズムについて考えていきましょう。
人気急上昇中!宮古島の魅力を知ろう
宮古毎日新聞は、2018年度の宮古島への観光客数が前年度実績を約15万人上回る114万3031人となり、初めて100万人を突破したと発表しました。この数字は世界自然遺産の知床(しれとこ)への訪問者と同じくらいの数になります。新型コロナウィルスの影響で一時数字は落ち込みましたが、2022年度上半期は37万人まで盛り返しました。これからも宮古島への観光客数は増加の見込みです。
そんな宮古島の魅力は、美しい自然景観に恵まれているところです。特に東洋一の美しさと称される「与那覇前浜ビーチ」は、7kmに渡って続く真っ白な砂浜と、透明度の高い海を堪能することができます。また、「祈りの島」として今でも神々に祈る習慣が根強く残っています。日常の暮らしの中で島人同士が助け合い、命の水を与えてくれる神様に祈ることが習慣です。そんな神秘的な雰囲気がより魅力的に映ります。そしてグルメといえば、日本一の生産量を誇るマンゴーです。8月は幻のマンゴーといわれるキーツーマンゴーのシーズン。その他にも宮古そばや、鮮度抜群の一本釣り、冬の島野菜など、一年中、四季折々の島の味わいを楽しむことができます。
ハワイも取り組む新しい観光のかたち
宮古島と似た魅力を持つ南の島、ハワイ州観光局は先んじて「野生動物に餌を与えない」、「住民が大切にする神聖な場所を訪れる際は敬意を払う」など、レスポンシブル・ツーリズムの実践を呼びかけています。Pono(ポノ)とは、ハワイ語で「親切心、モラル、正しい、健康で幸福な状態、正義」などたくさんの意味があり、全ての物事がちょうどいいバランスにある状態のことをいいます。ハワイの人が何かを判断をするときは、「ポノであるか?」ということを軸に考えているそうです。このような精神がポノトラベラーを一人でも多く歓迎したいというハワイ州観光局の姿勢に表れているのでしょう。
世界でも進行するオーバーツーリズムによる観光公害
宮古島やハワイといった美しい島に行きたいという人々の気持ちが高まるにつれて、宮古島ではスペインのバルセロナ、イタリアのベネチアなどと同様にオーバーツーリズム(観光
公害)が深刻化しています。沿岸部ではリゾート開発が進み、海岸には大量の漂着ゴミが流れ着きます。このようなゴミ問題は海の生態系にも悪影響を及ぼしています。宮古島は島そのものが珊瑚が隆起して出来た島で、豊かな珊瑚礁が広がっています。しかし、このサンゴが近年急激に減少しており、危機的な状況に陥っているのです。この原因には様々ありますが、もちろん観光による影響も少なくはありません。
宮古島観光協会は、「Meets More Miyakojima〜さあ、心で旅をしよう〜」をコンセプトに観光客向けのガイドラインを策定して、代々受け継がれてきた自然の美しさを守っていく取り組みをスタートしています。「島を守る」というメッセージが印象的な公式ホームページも1月31日から公開予定です。これまで行ったことがある人もない人も責任ある旅行者として、新しい旅のかたちを宮古島から始めてみませんか。